曲目紹介

ピーター・チャイコフスキー 組曲「胡桃割り人形」



 <胡桃割り人形>は<自鳥の湖><眠りの森の美女>とともにチャイコフスキーの3大バレエの1つに数えられています。ここでは全15曲のうち8曲を組曲として演奏いたします。

1 小序曲
 この曲はめずらしいことにチェロとコントラバスのパートがありません。軽く浮く感じがこれから始まる楽しい物語を予感させます。

2 行進曲
 子供達が部屋に入ってくるときの音楽(第1幕)です。無邪気な様子がいろいろな楽器のかけあいで表現されています。

3 金米糖の精の踊り
 お城の女王の踊り(第2幕)です。お菓子でできたお城の女王である金米糖の精が、チェレスタとバスクラリネットの響きの中で踊ります。

4 トレバーク
 トレバークとはロシアの農民に伝わる2拍子の激しい踊りです。バレエではチョコレートの精が陽気に踊ります。短い曲ですが非常に盛り上がります。

5 アラビアの踊り

 ヴィオラとチェロの伴奏の中、コーヒーの精が神秘的に踊ります。途中に聞こえるタンバリンが印象的です。

6 中国の踊り

 お茶の精の踊り。ファゴットと弦楽器のピチカートにのせて、フルートの楽しいおしゃべりが聞こえてきます。

7 葦笛の踊り

 葦笛の踊りおもちゃの笛の踊り。この笛は3本のフルートで表現されています。途中の行進曲をはさみ、後半再びおもちゃの笛の調べが繰り返されます。

8 花のワルツ
 ここでは、おもちゃやお菓子と一緒に、あらゆる花が舞い踊ります。全曲を通じて最も有名で、単独のアンコールピースとしてもよく用いられています。

N.T.


© 東芝フィルハーモニー管弦楽団 2002