曲目紹介

モーツァルト:歌劇「魔笛」 KV620



 プログラムには"歌劇"(オペラ)となっていますが、厳密には"歌芝居"です。"魔笛"が作曲された当時はオペラは宮廷のためのものでした。歌芝居は歌と歌の間に大量の"せりふ"がはさまれる形で、大衆向け。当時はオペラと比べてうたし倍は格下にみられていました。
 しかし、"魔笛"はその完成度からもモーツァルトの最高峰の1つであることは間違いなく、代表的なオペラ作品の1つとされています。(ただし、台本は途中で善悪が逆転したりしてあまり洗練されていない)
 "魔笛"はK.620という番号がついているモーツァルトの晩年の作品です。このあとクラリネット協奏曲K.622、レクイエムK.626と続きます。シカネーダというモーツァルトの悪友の劇団のために書いた作品です。
 古典的な2管編成の管弦楽ですが、一部の曲には2本のバッセットホルンと鍵盤式のグロッケンシュピールが使われています。
 モーツァルト作品では音域違反はまれですが、"夜の女王"の音域は5線の上にゲタがたくさん付いた高い"ファ"まであります。シカネーダの劇団にこの音が出るソプラノがいたということ???

第1幕 タミーノは夜の女王の依頼でパパゲーノと一緒にザラストロに捕えられているパミーナを救いに行きます。ところが、途中で"実は夜の女王が悪者でザラストロが善者"と諭されます。

第2幕 タミーノはザラストロの寺院で試練を受けます。パミーナの誤解があったり、パパゲーノが失恋しかかったりしますが、最後は復讐を誓う夜の女王が滅び、タミーノとパミーナは全員から祝福されて幕となります。


Y.F.


© 東芝フィルハーモニー管弦楽団 2002