曲目紹介

ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 op.92



 楽器編成・各楽章の形式等従来の慣習に従って書かれながら、この第7番はベートーヴェンの交響曲の中でも特異な存在として知られています。通常は楽章間に緩急、あるいは劇的なものと叙情的なものといった対比が置かれるのが普通ですが、第一楽章の序奏を除いたすべての楽章が速いテンポで書かれており、舞曲を集めて作られたバロック時代の組曲のような傾向を示しています。かのワーグナーは「舞踏の聖化」という言葉でこの曲を評しています。

 第一楽章
 この交響曲では唯一荘厳な雰囲気の序曲から始まります。オーケストラの全奏に続き、オーボエから次々木管楽器に引き継がれる旋律と、弦楽器で演奏される上行音形で構成される序奏が終わるとフルートにより軽快な主題が示され、一気に舞踏の世界へと導かれます。

 第二楽章
 本来軽快なはずのアレグレットで書かれていながら葬送行進曲を思わせる部分と、暗い雲の間から日がさしてくるような明るい部分とが交互に表れます。

 第三楽章
 優雅なメヌエットが置かれるはずのところにブレストと指定されたスケルツォが来るベートーヴェン独自の手法によりまたしても激しい舞踏の世界へ。

 第四楽章
 連続するスフォルツァンドによる乱舞。ロマン・ロランを初めとする人々に「泥酔者の音楽」と言わしめた理由がうなずけます。

さて本日演奏は皆様をどこまで舞踏に世界に引き込むことができますことやら。

K.S.


© 東芝フィルハーモニー管弦楽団 2002