曲目紹介

スッペ 喜歌劇 「軽騎兵」 序曲


 スッペ(1819-1895) はオーストリアの作曲家であり、 幼少期を現在のイタリアのクレモナで過ごした。13 歳で 和声法を勉強し、16 歳でウィーンに移り住んだ後、本格 的に音楽の勉強を始めた。生涯に200 以上の曲を書いた が、現在でも上演されるオペレッタは「詩人と農夫」、「美 しきガラテア」など僅かであり、その他の作品の一部は 序曲が演奏されるのみである。
今回演奏する「軽騎兵」も初演では大成功をおさめ たが、現在では台本が失われこの序曲のみが演奏され ている。この曲が作曲された当時は、オッフェンバッ クの影響でウィーンではオペレッタの全盛期であった。 オペレッタは「小さなオペラ」という意味であるが、 演奏時間、構成ともオペラと同等のものが数多くあり、 大衆の支持によって発展していった。「軽騎兵」はスッ ペが47 歳の時に作曲したもので、華やかな軍隊生活を 描いたものである。トランペットのファンファーレで 曲が始まり、様々な楽器がファンファーレを繰り返し ながら盛り上がる。途中、テンポを変えながら様々な 表情のメロディーを展開した後、行進曲となり再びファ ンファーレが演奏されて華やかに結ばれる。

H.M.


© 東芝フィルハーモニー管弦楽団 2008